素人がプロのスタッフを使って撮った映画は「いつかどこかで」同様箸にも棒にもかからないのが相場だが、本編もしっかりその通りの映画になってしまった。ところどころ凝った絵づくりはあるものの、全体としてはあまり生きておらず、時の流れに耐えられる作品とはとてもいえない。
だいたいテーマそれ自体がビッグウェンズデイのパクリだし、そのくせ肝心のサーフィンをするシーンが全くないという不思議な映画なのだ。いったい何だったんだと怒らずにはいられない変テコなエンディングにいたっては、もう大コケの一言だ。突然空から竜が舞い降りたり、オカルト的な群舞シーンでお茶を濁したり、全く映画をナメてんじゃないか桑田という男は。この映画で見るべきものといったらただ一つ、清水美砂の鼻の形くらいのものである、といってもけして言い過ぎではなかろう。・・・
映画としての出来を云々するタイプの作品ではないのかもしれないが、CGによるSFXと実写のマッチングのうまさは現時点ではまさに最高!の一言である。ロジャーラビットを今のCG技術でつくったらきっとこんな感じになるだろう。
主人公リプキス役のジム・キャリーも実際は変な奴らしいが映画の中ではなかなかキュート。マジメな顔さえしていればかなりのハンサムである。物語ははっきり言ってSFXを生かすためだけに存在しており、破綻していると言えなくもないが、美女とそれほどでもない女の役割がよくある設定とは逆転していてなかなか面白かった。少なくとも一時を楽しく過ごすことのできる映画である。・・・
宮沢賢治のいくつかの作品を、風の又三郎を軸にちりばめたといった風情の映画である。日本映画には珍しくトータルな雰囲気を持った映画として評価できる。原作にはないヒロインを演じた早勢美里も、又三郎を独特の存在感で表現した小林悠もよかった。地味だが名作と言えるだろう。・・・
日本製のSFX、というよりトクサツ映画としてはなかなかがんばった方だと言えるだろう。予算がないのがいやが上にも思い知らされる設定ではあるが、二転三転するストーリィのおかげでさほど飽きることもなく観られた。
欠点、たとえば雨宮の演出力の弱さとか、東映ヒーローもののシッポを引きずるまずいアクションとか(森山祐子はよくがんばったとは思うが、やはり本場香港の女性アクションスターとくらべたら悲しいくらい動きが遅い)いちいちあげればきりがないが、やはりこのやる気は評価してもいいのではなかろうか。今後は雨宮がいかにして東映戦隊ものの殻から脱皮するかにかかっている。・・・
諸星大二郎の短編「黒い探求者」をベースに妖怪ハンターシリーズのいくつかのエピソードからキャラクターをもってきて脚色した作品だが、沢田研二の稗田礼二郎は多少ミスキャスト気味で、マンガのキャラクターとは違って実に頼りない人物になりさがってしまっていた。
ストーリィはそこそこにテンポもよく、飽きさせない工夫も見られたが、先日のゼイラム同様予算が限られていたためか映画の描く世界が狭く、現実世界との接点がほとんどない。従ってイマイチ作品世界にリアリティが感じられないのだ。
ヒルコ自体の造形も日本製にしてはそこそこ良く出来ているが、「遊星からの物体X」などから比べればまだまだである。特にラストでクラスメートの何人かが昇天する場面など、明らかにやらない方がよかった。はっきり造りモノと判ってしまう出来なので、主人公たちが一所懸命戦っても嘘臭く見えるだけだ。
ところで未だにどうしても判らないのが、室田日出男扮する用務員の男が電話線を切るシーンだ。作中に納得できるような説明もなかったようだし、一体なぜなのか、謎である。・・・
大金をつぎ込んだB級SF映画というのが正確な表現だろう。SFXは特に大したことはしていないが、神殿のセットなどは実に巨大で妙に現実的だし、なによりもエキストラの人数がスゴイ。たぶん人件費の安い外国で撮ったのだろうが、それなりの効果は出ていると思う、。それに比べてCGを使ったエイリアンの変身シーンはモーフィング丸だしでちょっと情けなかった。・・・
カタキ役のロボットのデザインといい、ロボコップ本人の設定といい、まんま東映超人モノの延長線上にいる。というよりはっきり言ってパクリなのだが、その面白さの差がイコール日米の映画産業の力の差を表しているのだろう。
今回のLD版を見て初めて気付いたのだが、ロボコップになる以前のマーフィの愛銃はP226だったのだ。アビスのマイケル・ビーンも確か226を持っていたし、意外にメジャーな銃だったんだな。・・・
これはもう間違いなくシリーズ中最高の一作である。キャラクター設定、ストーリィの構成、演出のテンポ、物凄いスタントともう言うことがない。
特にキャラクターに関しては、親玉ヒューマンガスをはじめとする未来暴走族のメンバーからジャイロ・キャプテン、ブーメラン使いの少年、名もない女戦士にいたるまで過不足なく描かれていて実にソツがない。最初は誰だか判らない物語の語り手が、後に成長し新しいリーダーとなった、ブーメラン使いの少年であったことが判るラストなど、心憎いくらいだ。
今にして思えば、「北斗の拳」その他ハルマゲドン以後の荒廃した世界を舞台にした作品群の原点と言っていいのかもしれない。・・・
ストーリィは他愛ない話を他愛なく作っただけの物という印象が強いが、特筆すべきはその美術設定の見事さだろう。パルプマガジンのチープさを失わずに一方でそれなりのリアリティを持たせるのは簡単そうで実はなかなか難しいことだと思う。特に極彩色の墨流しのような空は良く出来ていた。
それにしても登場人物たちの印象の薄さといったらない。主演俳優も女優もその後ほとんど音沙汰無しだから仕方ないのだろうが、敵役モンゴを演じたマックス・フォン・シドーも黄禍思想の体現者としての役割をなんとか果たしているに過ぎない。やや目立ったのは緑の王子役のティモシー・ダルトンとモンゴの娘を演じるオルネラ・ムーティ(は良かった)くらいのものだ。・・・
語学力の限界のためにこういうややこしい話は完全には理解できないのだが、映像と雰囲気だけでもまあ楽しめた。
ビルモス・ジグムントの映像とジョン・ウィリアムズの音楽は、その完成度の高さで幾分原作から離れすぎた演出に妙な説得力を与えていると思う。エリオット・グールド演じるフィリップ・マーロウはいわゆるマーロウ像とはまるっきり違うらしいが、それなりにカッコ良い私立探偵像ではある。
それにしても冒頭の猫の演技は凄い。一体どれだけNGテイクを積み重ねたのか知りたいものだ。・・・
二時間枠用のTV映画だが、役者はダイアン・キートン、ブルース・ダーンそしてルトガー・ハウアーと、なかなかの大物ぞろいである。登場する飛行機はロッキード・エレクトラ役にビーチC45が扮していて、結構それらしい。
演出はいかにもTV映画らしく可もなく不可もないが、空撮にはかのスティーブ・ヒントンも一枚噛んでいて、なかなか美しく撮れていた。・・・
お約束パロディ映画第二弾はランボー2を下敷きに、T2やらジゴモクやら今回もいろいろな映画をパロッて見せてくれるが、パート2の法則に従い、予算と反比例して映画自体の出来はパワーダウンしてしまっている。ご贔屓のブレンダ・バーキが出てきたのは収穫だったが、お色気度は中学生向けと言うところ(PG−13ではそれもしかたないか)たぶんパート3は作られないだろうな。・・・
ところどころに説明不足な点や舌足らずなところもあるが、まさに怪獣映画らしいSFXとスピーディなストーリィ展開は明らかに本家ゴジラシリーズを上回り、こちらこそ60年代東宝怪獣映画の正当な後継者であるという噂も頷ける。
命とも言えるSFXは常にローアングルに構えたカメラといい、回転飛行するガメラのCGといいなかなかいいセンスなのだが、飛行シーンの積雲のつもりの綿とか、オプチカル合成のズレとか出来にむらがあるのが惜しい。・・・
久しぶりの再見だが、ストーリィの陳腐さは仕方がないものの、クレイ・レイシーによる空撮はなかなかの迫力で、これだけでもこのディスクを買って良かったと思わせられる。
グースの遭難シーンは撮影中にアート・ショールが事故死したためか、シーンのつなぎがちぐはぐで、事故寸前まで地上で戦闘訓練していたはずが脱出すると海のまっただ中だったりする。軍の協力を得るためには仕方なかったのかもしれないが、もう少し面白くなったと思われる素材だっただけに脚本の不出来が惜しまれる。・・・
一言でいってしまえば「ゴッドファーザー」風の味付けをした日本版フィルム・ノワールなのだが、深作の演出テンポがいいせいか結構見せてくれた。シネスコの画面を生かした構図も悪くなかった。
しかし日本映画の常、欠点がないわけではもちろんない。まず、この手の群像劇を見せるにはいかにも上映時間が短く、人間関係が少々判りづらい。それと、時代考証にお金をかけられないためか、時代感覚が今三つくらい出ていない。主人公が乗る車は確かに当時のものだが、それとすれ違う一般の車は昭和40年代のものだ。建物も服装もどうも時代を感じられない。この辺に金のない日本映画の限界を思い知らされるのも悲しい話だ。・・・
あの岩井俊二の劇場用映画一作目だが、出来上がりはいつもの岩井ワールド、ちょっと斜な視点から見た、しかし判りやすい作品になっていた。中山美穂を二役に使い、しかもその一方、藤井樹の少女時代を別の女優が演じるというトリッキーな撮り方はいかにも彼らしい。
中盤、藤井樹が同姓同名の別人と判った後の演出がやや重く、特に樹が高熱を出して吹雪の中を病院に負ぶわれていくエピソードは少々付け足し臭い。ディテールにこだわる岩井にしては、雪中のトンボはどう見ても標本だし、鈴木蘭々のヅラもちょっと目立ちすぎだ。
ラストのオチも、そこまで樹(男のほう)に画才があることに全然ふれていないため、唐突という感は免れない。せっかくのメジャー作品なんだから、もう少し細かい点にまで気を配ってほしかった。他の映像作家と違って岩井という人はそれが出来るはずなのだから。・・・
TV版ではシャープな映像センスとテンポの良さで見せてくれたが、劇場版では多少勝手が違ったのか構図に締まりがなく、テンポもダレ気味でビンボー臭さばかり目立つという、日本映画らしい欠点のあふれた作品になってしまった。エンディングもこっちが呆気にとられてしまうほどご都合主義で、思わずツッコミをいれてしまいたくなる。
胸にナイフを突き立てられ、明らかに死んでいた奥菜恵を超能力で甦らせたり、その姉の破滅的超能力が、なぜか霧原兄弟に関する記憶とともにキレイサッパリ消滅していたり、もう情けなくなってしまう。・・・
上記NIGHT HEADと同様の超能力アクションものだが、こちらは劇場で公開したのが信じられないほどひどい出来の映画で、とても玄人が書いたシナリオとは思えない。
エンターテインメントとしての要件を満たしていないのだ。まさに十代の桜井幸子のはつらつとした姿が見られると言うこと以外、全く見るべきところのないひどい映画であった。ある意味、今はやりのエド・ウッド映画に通じるものがあるのかもしれない。・・・(←桜井幸子のポイント)
若い頃の浅丘ルリ子は細川ふみえににてるなあ、なんて思いながら観ていたのだが、裕次郎の映画にしては珍しく、ロマンスを前面に押し出した少女マンガ風の作品として仕上がっていた。
バンドマン役のジェリー藤尾はなかなかハマリ役だったが、主人公のデザイナー役の裕次郎はとてもそれらしくは見えず、かなり無理のある設定となってしまった。それにしても昭和30年代の銀座の町並みがきちんと撮られていたのが実に貴重だった。ラストへの伏線の張り方はなかなか見事!・・・
’50年代に撮られた映画とは思えないほど演出のテンポも映像センスも良く、この当時の日本映画の実力を思い知らされる。
物語は軍隊を舞台にしてはいるものの、どちらかといえばウェスタン調で、インディアン部落の中で孤立している騎兵隊といった雰囲気がある。全体的にカラッとしているが、ラストでは主人公以外の登場人物がほとんど死んでしまうという、結構悲劇的な映画であった。・・・
相当昔、最初に観たときにも思ったことだが、やはり脚本が良くない。主人公以外のチームのメンバーが序盤でほとんど死んでしまうため、中盤かなりダレ気味になる。せっかく個性あるキャラクターを造形したのだから、もう少し「生かした」後に殺してほしかった。
セットやSFXにはかなり力が入っており、ほとんどチャチさを感じさせなかったのは見事である。もっとも二三、全てぶちこわしになるほど出来の悪い合成があったのも事実だが。
特筆すべきはヒロイン・ニムを演じたブレンダ・バーキの美しさで、演技力の確かさもあって結構ハマッてしまった。原田という監督がもう少しサービス精神溢れる人だったら、おそらく黒いレザーのコンバットスーツを脱ぐシーンなど必ず入れてしかるべきなのだろうが、残念ながらそんなシーンは皆無であった^^;^^;^^;まあ、「おニャン子ザ・ムービー」の監督にそれを望んでも無駄なのだろうが。
しかし、高嶋兄が日本語で突っかかるとブレンダが英語でやり返すのには少々違和感があった。高嶋演じるブルックリンはアメリカ留学をしていたという設定なのだから、あれくらい英語でやりあっても良かったのではないか。・・・
一応前作の続編ということになっているが、 内容的には完全に独立しており、キャラクター的にも関連はない。前作よりいっそう快テンポになり、ギャグの切れ味も良くなっている。あまり悲劇的でなくなっているのもいい。軍旗の争奪戦など、現代のサバゲーみたいで面白い。・・・
ライナーノーツにもあったが、実に全く「カサブランカ」のパクリであった。裕次郎はいくぶん太り始め、逆に浅丘ルリ子は痩せ始めている。二人ともこの辺が見られる限界なのである。それを意識しているか否かは判らないが、「銀座〜」と比べるとわずか五年しか経っていないにも関わらず大人の恋愛の話になっている。
原作(?)がよく出来た話だったせいもあるが、タイトな演出のおかげでなかなかシャープな作品に仕上がっていた。しかしタイトルの夜霧は肝心なところで出てくれず、なんだか騙されたみたいな気分だ。・・・
作画がメビウスのせいか、それなりに美しいアニメに仕上がっていたが、外国製アニメの例に漏れず、展開がやや冗漫で途中何度も居眠りしてしまった。
結局孤児になったピエールが主人公の友人の爺さんになっていたというタイム・パラドックスものなのだが、その仕掛けも単なる辻褄あわせ以上のものになっておらず、特に感動を呼ぶといったほどのものでもない。
タイトルにもなっている「時の支配者」もラストでちょっと姿を見せるだけで、設定のためだけの存在になってしまっている。それから、これは映画の内容とは直接関係ないが、ジャケットデザインのまずさは相当なもので、ほとんど素人の作品としか思えない。これはディスクの売り上げにも大きくマイナスしたことだろう。・・・
日本にまだロックがなかった時代の話で、たぶんにフィクションではあろうがジャズ界が今のロック界のごとく扱われている。デビューして間もない裕次郎はやっぱりかっこ良く、日本最大の映画スターだったんだなと思う。
ストーリィははっきり言って陳腐だが、それなりにシャープな演出で飽きさせない。それにしても、主人公が破滅したまま終わってしまう物語は日本では珍しかったのではないか。・・・
石坂洋次郎原作の文芸大作という、日活としては異色の作品であるためか、主人公黒岩の設定など、これまでの裕次郎の主演映画とはずいぶん違うキャラクターになっている。それでも石原が演じているのはやはり石原裕次郎そのものであり、このへんが大スター石原の石原たる由縁なのだろう。
物語は原作を未読なのでよくは判らないが、かなり散文的というか、構成に緻密さがないような気がする。60年安保の時代を背景にした青春ドラマなのだが、話はあっちへ飛びこっちへ飛びして全体としての突っ込みがたらず、エンディングの締まらなさも手伝ってなんだかヘンテコな映画になってしまっていた。
当時のプチブル(懐かしい言葉だ)の生活意識などはよく描かれているのだが、登場する大学生たちは何だかパロディみたいで変だ。とにかくしゃべる台詞のセンテンスがとてつもなく長く、口にする前に構文など相当熟慮した形跡があるのだが、日常会話でそんなしゃべり方をする人間がいる筈もなく、いかにも不自然なのだ。一種の演劇的空間を創り出そうとしたのかも知れないが、あまり成功しているとは言いかねる出来である。・・・