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ブルーサンダー・スペシャル

エアフィックス 1/72 ウエストランド/アエロスパシアル SA341 ガゼル改造

 コスモゼロに続く架空機シリーズとして、今回はブルーサンダーを作りました。元キットはエアフィックス製のガゼル、実機でも改造の元になった機体です。今までのシリーズ中、実機の塗装替えであるF-5Eを除けば、初めての飛行可能な機体でもあります。全体的に丸っこいガゼルのおもにキャノピー回りを作り替え、ここまでイメージの異なる機体を作ってしまったデザイナーの手腕はまったくたいしたものだと思います。

 改造は実機同様キャノピー回りがメインですが、よく見るとスキッド回りやエンジンカバー、テイルブームなどなど細かい改造ポイントが意外に多く、かなりてこずってしまいました。特に、細かい軽め穴のならんだテイルブーム上の補強材は、一体どうやって作ったらいいか、製作方法すら思いつかないほどの難作業でした。

 こういうスクラッチ作業でいちばん面倒なのは、単純でありながら精度を求められる、今回の穴開けのような作業です。まず最初に、とりあえず等間隔の穴を開けようと思って、等間隔のドットを印刷したデカールを刷って薄いプラ板に貼り、そのドットからはみ出ないよう注意深くドリルで穴を開けてみました。

 この作業でできた穴は一見するときれいに見えるのですが、いざデカールを剥すと、やっぱり不揃いで機械で開けたようには見えませんでした。途方に暮れていたとき、100円ショップなどで売っている「パンチングシート」なる製品をテンプレートとして利用すれば、等間隔のきれいな穴を開けられる、というヒントを何人かの方が掲示板にカキコしてくださり、現物を手に入れて指示通り穴を開けてみたら、ご覧のように見事に等間隔の穴を開けることができました。この場を借りて情報を提供してくださった方々にお礼を申し上げます。

 もうひとつの、そして最大の改造ポイントはいうまでもなくキャノピーです。この部分はガゼルとはまったく違っているので、一から作り直さなければなりません。本来キャノピーを自作するときには、木型を作って透明塩ビ板をヒートプレスするのですが、ブルーサンダーのキャノピーはすべて平面で構成されており、ヒートプレスで絞るのはかえって難しいので、塩ビ板を展開図の形にカットして、折り紙よろしく折り曲げて作ることにしました。

 いきなり塩ビ板では失敗するのは目に見えていたので、まず紙で展開図を作り、それを切り抜いてキャノピーの形に組み立て、ガゼルの胴体に乗せ、形状チェックしました。それでなんとか不自然でない形状まで煮詰めると、材質を透明塩ビ板に置き換えて仮組みし、胴体に乗せる。そんなことを数回繰り返し、なんとか満足できるキャノピーを完成させることができました。

 塩ビ板の厚さは0.4ミリで、折ったところにできる溝には細く伸ばしたプラ棒を埋め込んで、瞬間接着剤で補強しました(これをやらないと、ほんのちょっとしたショックでもキャノピーはバラバラになってしまいます^^;)もちろん、合わせ目にできる溝も同様にして埋めて補強してあります。

 ガゼルには存在しないガン・ターレットは完全自作になります。この部分は1.2ミリプラ板で箱組みし、ディテールを付け加えてあります。実機同様に可動させるのはさすがに無理でしたが、1/72スケールではそこまでは望めないでしょう。銃身は0.5ミリ真鍮線を束ねて作りました。少々長すぎてオーバースケールなのですが、この方がカッコいいのでそのままです(^_^)/

 その左右に付いているサーチライトは、ちょうどいい径の透明ランナーから削り出し、後半部分を銀色に塗り、そのあと胴体色を塗りましたが、写真に撮ると真っ黒に写ってしまいます(;o;)

 胴体左右のビデオカメラボックス、エンジン両側の消音装置はともにプラ板で作りました。消音装置のイボイボはこのスケールだと手作業での再現は無理なので、自作デカールで表現してあります。

 さて、最後の問題は全体の塗色です。ウェブ上にアップされた画像や映画のスチール、さらにはビデオ映像を調べてみても、それぞれに色調が違っていて具体的に「これだ」という色は判りませんでした。こういう時に頼りになるのは結局自分自身の感覚しかありません。いろいろ試してみたあげく、GSIクレオスのMr.カラー14番ネービーブルーに110番キャラクターブルーを適当に混ぜていき、イメージにあう色合いになったところで止める、というやり方で調色しました。もちろん、原液のままと実際塗ったときでは微妙に印象が違うので、白いプラ板にいちいち塗って確認しました。

 下半分の濃い部分はさらに判りづらく、ほとんど何色か判りませんでしたが、少なくとも黒よりはわずかに明るそうに見えたので、ブルー系の中ではいちばん黒に近い71番ミッドナイトブルーを塗りました。同じ系列の色だったからか、この2色はなじみもよく、かなり実機のイメージに近くできたと個人的には思っています。

 ブルーサンダーのキットは、かつてモノグラムから1/32スケールのものが出ており、なかなかよく出来ていたので今回もずいぶん参考にさせていただきました。それ以外のスケールでは韓国製のパチもん(ほぼ1/150程度でしたが、クリアパーツもない駄菓子のオマケ的キット)があったくらいで、1/48や1/72では出ていませんでした。1/48スケールではフジミ製のガゼルを改造した作品が古いホビージャパン誌に掲載されており、今回モノグラム社製キット同様に参考にさせていただきました。

 こうしたキャラクターものは、著作権などさまざまな権利が絡むので商品化が難しく、しかもその鮮度が売り上げに大きく影響するので、映画公開からすでに20年も過ぎてしまったブルーサンダーの場合、ほとんど可能性はないでしょう。しかし、同じように20年も前に公開され、とっくの昔に過去の作品になっていたはずの「超時空要塞マクロス」に登場したバルキリー・ファイターが、先ごろ純然たる飛行機キットとして発売され空前の大ヒットを記録した例もあるので、古い作品に登場したメカだから売れない、ということには必ずしもならないかもしれません。要は、そのデザインが時を越えて生き残るだけ魅力的であったか否か、ということです。個人的には、このブルーサンダーは時の流れに十分打ち勝てるだけ優れたデザインだと思っています。

 ↓近未来、ロスアンジェルスの空を往くロス市警のフライングマシーン二機。ポリススピナーの方は戦闘タイプではないので武装なしですが、映画の設定ではレーザー砲を搭載したものもあったようです。一方のブルーサンダーは、機首に装備した20ミリパルカン砲の威力は戦闘機なみで、もし実在したらかなり恐ろしい機体になったでしょう。

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