
東洋医学では、『足の裏は第二の心臓』であるともいわれていますが、実際にその通りなのです。全身の経絡が陰陽に作用し、足は、それに属した全身のツボがあるところです。そして心臓からは一番遠く離れているので、全身の疲れも一番早く現れてくるところです。したがって、足を鍛えることが、老化を防止し、健康を保つ重要ポイントをになるわけです。
したがって、足を鍛えることが、老化を防止し、健康を保つ重要ポイントになるわけです。針灸経絡図によれば、足の甲側には脾経、肝経、胃経、胆経が通い、それらに属して、隠白・太敦・行間・中封・れいだ・陥谷・衝陽・解ケイ・竅陰・キョウケイ・臨泣・丘墟、などのツボがあり、一方ふだんはあまり気にとめずにいる足の裏側には、脾経・腎経・膀胱経が通っており、それに属して、太都・太白・公孫・湧泉・然谷・束骨・京骨、などのツボがあります。これらに、くるみを使った多点刺激を行うと、精力減退・冷え・食欲不振・だるさ・肩こり・高血圧、などに効きめをもたらすことはよくしられています。
東洋医学では、『頭は天、足は地』といいますが、陰陽経絡の流れで、天と地が一体になっているのです。痔の病のとき、頭のてっぺん(両方の耳の端からの線が、頭の中央で交わったところ)にある百会というツボに灸をすえると効果があることは中国三千年の経験より、現在でも行われていることですが、これは督脈という『奇経八脈』に属している経絡で通じているからにはほかならないのです。つまり、頭に与えた刺激が、そのまま足部(この場合は痔)への刺激となるのです。
また欧米人は、足が疲れると靴から足を開放し素足で歩き疲れをとるようですが、日本人もかつて東海道を歩いていた時代には、宿に着くたびに、わらじをぬいでから、まず土間をベタベタと歩き、土踏まずを指で押し足の疲れをとったようです。この足の裏を刺激する軽い運動をすることによって、足の筋肉が適度の収縮、弛緩します。それが、気血のエネルギーを心臓へ送り出す働きを円滑に促すことになるのです。
この足の疲れをとる方法を、さらに積極的にしたものが、足の裏で丸太棒や、ビール瓶や孟宗竹を使った青竹などを踏む方法です。この運動は、東洋医学でいう足の裏のツボを刺激する療法として知られているものです。
これをくるみによる足の裏の多点刺激法におきかえると青竹踏みが、湧泉・裏内庭を重点的に刺激しているのに比べ、くるみに手をそえることによって、その効果は、太都・太白・束骨・京骨・に加えて、足の甲側の行間・太衝・中封・陥谷・衝陽・カイケイ・臨泣・丘墟、とひろがり、肝経・胃経・胆経の経絡刺激に入ります。従って、活力がわき、消化器の活動も活発化され、その効果も頭痛・肩こりにとどまらず、生理不順・精力減退・冷え・精神不安・胸やけ・胃のもたれなどにも効果をあげるのです。
このように考えると、足のくるみ刺激法はひどい病人を除いて、まずやってはいけない人はあまりいないと思います。軽く刺激して、軽い刺激で終わる、これが、素人のツボ療法の極意です。
私の教室でも自分の土踏まずの高さに合わせた小さなくるみを靴底にいれ、軽い刺激で通勤地獄を克服している人もいます。このような日頃の何気ない工夫が、実は自分の健康を保つなによりの薬なのです。
ツボ療法でもっとも肝心なことは、正しいツボを見つけることでしょう。これを取穴といって、患者に対して確実に効果のあるツボをとることです。
一般の人には、正しいツボの位置を見つけるのはたいへんなことですが、だいたいの目安を述べてみます。
まず、皮膚の状態をよく観察します。ツボの部分はうるおいがなく、ときに赤みを帯び、腫れていて触れると痛く感じます。そのあたりを指でなでてつまんでみると、痛みを感じたり、軽い不快感があったりします。
また、強く押してみて、反応がある所がツボです。例えば、コリコリとした、しこりがあったり、触れるとピリピリするところなどがそうです。人体の標準図などを参考にしながら、自分のツボを確かめてみましょう。